News Release

高齢者の健康寿命延伸に向け「脳の健康状態の日常チェック」と「生活介入による機能維持」を目指し、業界を牽引する4社による実証施策開始

この度、ジョージ・アンド・ショーン株式会社(本社:東京都渋谷区、 代表取締役 井上 憲)は、株式会社学研ココファン(本社:東京都品川区、代表取締役社長兼COO:森 猛)、東京海上日動火災保険株式会社(本社:東京都千代田区、取締役社長:広瀬 伸一)、NTT PARAVITA株式会社(本社:大阪府大阪市中央区、代表取締役:中野 康司)との4社連携により、超高齢化社会を迎える日本において、高齢者施設での日常的な脳の健康状態のチェックと、睡眠改善を中心とした生活介入による、健康長寿延伸を実現のための各社サービスの連携に向けた実証を12月16日(木)より開始します。

実証概要と目的
本施策は、これまでICTとAIの活用により高齢者認知症の社会課題解決に取り組んできたジョージ・アンド・ショーンの呼びかけにより、認知症課題や健康長寿に向けた投資を行う各社が参集することで起案されました。本施策を介して、年間14兆円にもおよぶ認知症ケアに発生する費用の削減と、何より、認知症の発症を一日でも遅らせることで、健康で永く生きられ続ける高齢者の方々が一人でも増えていくことを望んだ各社の思いから発足した実証施策となります。

本実証施策では、高齢者施設を対象とした以下2つの課題を解決することを目的に、将来的には在宅でのケアにも本知見を展開していきたいと考えています。

1. 生活習慣データのAI解析により脳の健康状態を日常的にチェックできる環境の整備
- 高齢者が認知症の発見に対して抵抗感があることや、脳の健康状態測定することへの興味が低いことから認知症の発見が遅くなってしまっていることを解消し、生活習慣データを利用することで、本人負担なく脳の健康状態のチェックを行える環境整備すること。
- 高齢者施設などの特定施設において、高齢者の健康状態の変化を早期に知ることができることで、施設従事者のオペレーション品質向上や、徘徊等の不意な事故の発生の抑制を目指すこと。

2. 脳の健康状態の維持に効果が見込まれるサービスを負担なく受けられる環境の整備
- 一般に、脳機能維持に効果的とされる療法がある一方で、サービスとして確立されていないことや利用費用が大きいという課題を解決し、脳の健康維持を負担なく図っていけるサービス提供環境をつくること。
- 睡眠情報を中心とした日常生活情報のモニタリングと、高齢者施設従事者による介入オペレーションのトライアルにより、高齢者に負担のない脳の健康の維持活動の支援を行うこと。

各社の役割について
本施策では、生活習慣データの取得から、本データの解析による高齢者の脳の健康状態の推定、また、睡眠コンサルテーションによる脳の健康維持への介入に際して、各社以下の役割をそれぞれ担います。

(1)学研ココファン
① 学研ココファンの運営する高齢者向け住宅入居者の方々からの協力者募集
② 健康寿命延伸に関わる複数施策の事業所展開に向けた、スタッフ・オペレーション、入居者へのコンサルテーション業務のトライアル

(2)東京海上日動火災保険
① 「施設360°」への商品付帯保険(※4)の提供

(3)NTT Paravita
① 高齢者施設に設置する睡眠センサー「Active Sleep ANALYZER(※2)」の提供
② 睡眠課題に対してのコンサルテーションサービスの提供

(4)ジョージ・アンド・ショーン
① 高齢者施設内位置情報把握サービス「施設360°(※3)」の提供
② 生活習慣情報を利用した脳の健康状態測定AIエンジン「Cognivida(※5)」の提供
③ 脳の健康状態の日常的な把握と脳健康維持のための生活介入の可能性の検討


実証施策の詳細
本施策は脳の健康状態のチェックから、生活介入による脳機能維持までの一連のプロセスをシームレスにつなげるために、各社の持つ既存サービス間での連携に向けた実証を行います。

1.IoTデバイスを利用した低負荷での生活習慣データの取得と、AIによる脳健康状態の基礎推定

<施策内容>
高齢者の生活習慣情報として、「施設360°」と「Active Sleep ANALYZER」の2種類のIoTデバイスを活用し、高齢者施設内での位置情報の履歴や、睡眠状態等の生活習慣データの収集を行います。
収集したデータはCognividaを始めとする脳の健康状態を推定するAIエンジンを利用して、日常的な脳機能の簡易チェックを行います。

<想定される成果>
・施設入居者向けIoTデバイスの利用負担に対するフィードバックの獲得
・AIを活用した日常的な脳機能変化チェックが与えるスタッフ・オペレーションへの効果測定

2.Cognividaと「のうKNOW」 ※1の連携による脳の健康度チェックの習慣化

<施策内容>
Cognividaによる脳の健康状態の日常的な基礎推定に加えて、より詳細な脳の健康度チェックツールとして「のうKNOW」 の月に一回程度の定期受験を行います。
これは、Cognividaで推定される脳の健康状態のスコアの継続的な低下や、特定閾値の下回りが見られる対象者に、積極的に「のうKNOW」 の提供を推薦していくことで、自覚がない段階でも脳の健康度をチェックすることへの興味を促していくことを想定しています。

<想定される成果>
・Cognividaと「のうKNOW」の相関性の把握
・日常的な脳の健康度チェックに対する高齢者フィードバックの獲得

3.睡眠コンサルテーションによる介入と効果測定

<施策内容>
Active Sleep ANALYZERを介して掲載された睡眠情報を利用して、睡眠時無呼吸症候群(SAS)や頻繁な中途覚醒などの状態を把握します。また、睡眠状態を健康に保つために、睡眠改善のためのコンサルテーションの提供により、不適切な睡眠状態の改善を図ります。
睡眠改善コンサルテーション実施の方針としては、「高齢者ご本人向け」、「施設従事スタッフ向け」、「IoTデバイスを活用した改善環境構築」の3つの方針による提供を予定しています。

<想定される成果>
・脳機能維持を目的とした睡眠コンサルテーションの効果測定
・睡眠コンサルテーションに対する利用者フィードバックの獲得

4.施設内サービス利用における保険適用

<施策内容>
外出時の高齢者事故時の負担削減を目的に、施設360°に付帯保険の提供を行います。また、脳の健康状態の低下が見られる特定高齢者に対して保険適用を行うことが、費用負担低下による、維持・回復サービスの積極的な利用につながるかのアンケートチェックを行います。

<想定される成果>
・保険適用による高齢者施設向けサービスの利用ハードルの低減効果の測定
・その他、高齢者向けサービスに対する保険適用への期待値の幅広い収集


対象施設と実施規模
学研ココファンの運営する以下2事業所より協力者を参集し、約40名の方にご協力頂きます。
・ココファンレジデンス湘南台
・ココファン藤沢

実施期間
2021年12月16日(木)~2022年12月15日(木)
施策開始から約1年間の実証期間。
実証終了後は、社会実装を各社連携により推進していく。


各サービスについて
※1「のうKNOW」
「のうKNOW」はCogstate Ltd.(本社:オーストラリア)が創出したアルゴリズムに基づき、エーザイ株式会社が開発したブレインパフォーマンス(脳の健康度)のセルフチェックツール。
PCやタブレット端末を用いた簡便なトランプテストによって、脳の反応速度、注意力、視覚学習および記憶力を評価する4つのテストを行い、ブレインパフォーマンスを定量的に測定する。結果画面には、「記憶する」「考える」「判断する」などのブレインパフォーマンスを定量化した指標「ブレインパフォーマンスインデックス(BPI)」と生活習慣においてブレインパフォーマンスを維持するためのアドバイスが表示される。疾病の予防や診断を目的としたものではなく、健康意識を高めるために行っていただくことを目的としている。
参考リンク:http://nouknow.jp

※2 Active Sleep ANALYZER
「Active Sleep ANALYZER」はNTT PARAVITA社の親会社である、パラマウントベッド株式会社より提供される、睡眠データ収集・解析のためのIoTデバイス。
ベッドタイプ、布団タイプ等利用シーンを選ばず、広く一般的な睡眠環境を変えることなく日々の睡眠データを取得し、睡眠スコアと睡眠改善アドバイスを提供する。
参考リンク:https://activesleep.jp/asa/

※3 施設360°
ジョージ・アンド・ショーン社により提供される、高齢者施設内入居者およびスタッフの位置情報把握のためのサービス。
高齢者やスタッフは同社が提供する小型のビーコンタグ「biblle(ビブル)」を利用することで、受信機と合わせて位置情報を把握する仕組みとなっている。リアルタイムでの位置把握に加えて、施設からの外出検知や、生活習慣データのモニタリングも可能。同社が提供するCognividaとの連携により、脳の健康状態を推定する機能も備えている。[グッドデザイン賞 2021]受賞。
参考リンク: 「施設360°」https://george-shaun.com/service/biblle-alliance/shisetsu360/
「見守りタグ biblle」https://www.biblle.net/

※4 施設360°商品付帯保険
高齢者施設入居者への外出時(道路通行中や交通乗用具に搭乗中)の事故等の補償を目的にジョージ・アンド・ショーン社より提供される保険サービス。
施設360°への商品付帯保険の形態にて、東京海上日動火災保険社より提供される。

※5 Cognivita
高齢者の方々の生活習慣データから脳の認知機能を推定するAIエンジンとしてジョージ・アンド・ショーン社より提供されるサービス。
検知に用いるデータは「位置情報の履歴」、「睡眠サイクル」、「家電利用の状況」、「対話データ」等広範なデータからの推定を可能としている。[グッドデザイン賞 2021]受賞。


株式会社学研ココファン
学研グループの中で高齢者支援事業を担い、住み慣れた地域で高齢者が安心して暮らし続けられるサポートとサービス提供を行っています。
事業の中心は、お元気な方から介護が必要な方まで、幅広く入居が可能なサービス付き高齢者向け住宅の運営で、運営棟数は国内第2位。

東京海上日動火災保険株式会社
東京海上日動は、1879 年の創業以来、「お客様や社会の“いざ”をお守りすること」をパーパスとし、時代と共に変化する様々な社会課題の解決に貢献することで、持続的に成長してきました。
今後も、サステナブルな社会づくりに貢献していくため、これまで進めてきた保険商品の提供と迅速な保険金支払いに加え、データやデジタルを活用した様々な取り組みを加速させていきます。

NTT PARAVITA株式会社
ICTを活用して地域の抱える社会課題の解決に取り組むNTT西日本と、 医療・介護ベッド及びマット型睡眠センサーで国内トップシェアを誇る パラマウントベッドによる合弁企業として、2021年7月に創業したヘルスケアカンパニー。
9割もの人が悩みを抱えるとも言われる「睡眠」をフックに、日常の生活データとAIを活用し「未病状態」にいち早く気づき、世の中から病気をなくしていくことをめざしています。

ジョージ・アンド・ショーン株式会社
「少しだけ優しい世界を創ろう。」をビジョンに掲げ、位置情報見守りタグ「biblle(ビブル)」や高齢者施設向け安否確認システム「施設360°(シセツサンロクマル)」の提供、またこれらサービスを介して収集される生活習慣情報をAI解析することで高齢者認知機能の推定を行うサービス「Cognivida」の開発や、高齢者認知症に関連する社会課題解決のための事業を展開する。
社員の多くが兼業での活動をしており、新しいスタイルの起業を体現し、メディアへの露出も多い。海外への出展や、ピッチコンテストにも積極的に参加し、数々の賞を受賞。
この世界に暮らす人々が、少しだけ優しくなれるために、ジョージ・アンド・ショーンは事業を展開していきます。

主な事業展開
・biblle(ビブル)   ビーコン位置情報見守りタグ/アプリ
・施設360°    高齢者施設向け位置情報見守り&生活習慣管理システム
・Cognivida 生活習慣データを利用した脳の認知機能推定AIサービス
・hulali(フラリ)  「地球の歩き方」と「ハワイ州観光局」公認のハワイトラベルアプリ
・KYOUDOKO   小田急電鉄株式会社との共同事業の地域コミュニティアプリ

代表     :井上憲
本社所在地  :〒150-0001東京都渋谷区神宮前6-23-4 桑野ビル2階
電話番号(代表) :03-3405-7230
ウェブサイト :https://george-shaun.com/